【SUKIYAKI】
2020.04.30前回のブログで「上を向いて歩こう」について執筆ながら、ふっと思い出したのが「SUKIYAKI」。
若い世代の方々からすると、ピンとの来ないかもしれませんが、58年前、坂本九さんが歌う「上を向いて歩こう」は世界の音楽業界を席巻していた。日本発のこの名曲はイギリス経由でアメリカに渡り、「SUKIYAKI」という曲名として、今では想像できないことだが全米チャートNo.1 Songに輝いたのだ。
今では信じられない話だが、当時ニューヨークやロサンゼルスの街を歩く若者が、この日本の名曲を口ずさんでいたらしいから驚きだ。
「上を向いて歩こう」というタイトルだと、アメリカ人に受け入れられないのでと、「SUKIYAKI」と曲名を変えたことが受け入れられたという側面のようだが、当然この音楽性が素晴らしいということがヒットした一番の理由。第二次世界大戦後、西洋一般社会に日本人が受け入れられた最初の出来事とも言われている程である。
ちなみに、2013年1月、英BBC電子版に「世界を変えた20曲」が掲載され、「風に吹かれて」、「イマジン」と並んで、この「SUKIYAKI」が選ばれた。たった20曲の中に入っているとは驚きだ。
さて、どうしてこの「SUKIYAKI」を思い出したかというと、私が20年前にアメリカで暮らしているときに、伝え聞いたエピソードが甦ってきたからだ。
今では有名な話になったが、1963年に名もなきプロレスラー・ジャイアント馬場さんが単身アメリカで武者修行をしていたらしい。プロ野球をやめて、プロレスラーになったジャイアント馬場さんは、武者修行とはいえ実質アメリカ人プロレスラー相手のヒール役。来る日も来る日も、辛く悲しい時を過ごしていた時、唯一の楽しみはジュークボックスで聞く、この「SUKIYAKI」だったらしい。彼は巨体を震わせ、
「同じ日本人の坂本九さんが活躍している。日本人でもアメリカで戦える。自分も絶対に負けない!!」
と、毎晩涙を流しながら、この名曲を聴いていたという、有名のエピソード。当時のアメリカは日本の文化、食事、言葉も何もなく、想像を絶するほど辛い時を過ごしたのだろう。そしてプロレスでは、常にヒール役で罵倒される毎日。それでも馬場さんは、いつかやってくる光を信じて毎日立ち上がっていたのだろう。
「上を向いて歩こう、涙がこぼれぬように」
2020年の今こそ世界中がやらねばならないこと。光を信じて、上を向くしかないということ。
今回YouTubeで、この名曲を久しぶりに聞いた。やっぱり名曲は色あせることなく、永遠に名曲だ。今更ながら感動した。特に好きは歌詞を抜粋してみた。
上を向いて歩こう
涙がこぼれないように
幸せは 雲の上に
幸せは 空の上に
上を向いて歩こう
悲しみは星のかげに
悲しみは月のかげに
上を向いて歩こう
(上を向いて歩こう 歌詞 © Sony/ATV Music Publishing LLC)
ちなみに2015年におこなわれた、ジャイアント馬場さん17回忌追善特別興行での、最後の挨拶後、ジャイアント馬場さんテーマ曲“王者の魂”がかかり、選手たちは退場。リングの上が無人になったタイミングで、この「上を向いて歩こう」が流された。それ程、ジャイアント馬場さんとこの名曲の繋がりは強かったということであろう。
【上を向いて歩こう!】
2020.04.22先日NHKニュース見ていると、歌で希望をと、「上を向いて歩こう」をうたうプロジェクト動画をインターネット上で公開しているという内容があった。演出家の宮本亜門さんが呼びかけ、企画したプロジェクトで、600人以上の方々が参加しているとのこと。
動画では、医療従事者は勿論、スーパー店員やバスドライバー、自衛隊の方々、鉄道の手すりを消毒する方々まで、社会の為に頑張る方々を中心に、それぞれ合唱している様子が流れていました。
YouTubeで公開されていると思いますので、一度でも観た方は分かると思いますが、心に強く響き、ぐっと強く込み上げてくる内容です。
NHKニュースでこの映像が流れて、スタジオに戻り有馬キャスターが、「泣けちゃいましたね」とコメント。続けて何かを語ろうとすると、言葉を詰まらせてしばし無言・・・。放送事故かと思ったが、彼の言葉が途切れ途切れとなり、更に言葉がかすれる・・・。そして声を震わせている。
NHKでこういったことは極めて稀であろう。
私も少し感情が高ぶりながら、彼を見ていて感じたことがある。この数か月、毎日毎日この暗く先の見えないニュースを語り続けている彼の仕事。他局のキャスターが感染したように、医療従事者だけではなく、彼らもまたリスクも有りながら、日本国民の為に日々の真実を伝え続けている。精神的に、我々には理解出来ない程、辛く苦しい仕事であり、逃げるわけにはいかない彼らのプレッシャーは想像を絶するのかもしれない。色々な感情の中でのあの動画により、少しだけ心の中身がこぼれたのだろうか。
通常以上にニュースに張り付く毎日で、それすら日常になりつつあるが、我々国民に伝えるという仕事を真摯にこなす彼らに対しても、感謝の気持ちをより持たないとと感じた一場面でした。全てに感謝しつつ、「上を向いて歩こう!」
【マスク2枚】
2020.04.03マスク2枚。
今の日本国民全てが、色々感じる言葉でしょう。ご存知の通り、安倍首相は1世帯につき布製マスク2枚を配布する方針を表明した。これを受け、国民の大多数がネガティブキャンペーンで大騒ぎ。「前代未聞の愚策」だの、「国民をバカにしている」だの、挙句の果てには「アベノマスク」と揶揄されたり。
確かに私も最初に聞いたときは、「は??」というリアクションでした。
しかし、政府が配布予定のマスクはマスクは1枚200円らしいです。これに単純計算で日本国内約5,000万世帯に各2枚配布すると、コストは200億円になる。それに梱包代、送料を加えるとかなりの予算措置になることは、誰でも想像出来ますね。
こう言うと、だったらマスク工場を支援しろとか、他に税金を有効的な投入できないのかという論争になる。しかしどう考えても既に国内だけではなく、世界中のマスク工場がフル生産しているはずですし、仮にマスクがあったとしても、世界中がマスク争奪戦を繰り広げているのが現状です。
ここで今回のポイントですが、世の中が危機的、かつ閉鎖的な状況になる中で、政府が何をやっても「言葉狩り」的な批判される風潮が強まっていることを、強く懸念します。
日本政府がマスク2枚配布だけで、他何もしなければそれはとんでもないことです。しかし、色々な試みを表明し推し進めており、このマスク2枚はその中の一つに過ぎないということです。しかもマスクは配布されるわけで、買えと言っているわけではなく、無料配布なわけです。(原資が税金だと言われればそれまでですが・・・)
政府はこのマスク2枚だけではなく、今後多岐にわたる対策を打ち出すでしょう。勿論この危機に対して、民主的に議論を重ねることは当然必要です。しかし今は何よりスピードが大切なわけです。スピードを優先すればミスは必ず出ます。
今はそれに対して都度批判するのではなく、国民一人一人が一致団結し、批判に向けるパワーを前向きな方向に集結させ、スピード感を持ちこの世界的危機を乗り切ることが最も重要だと考えます。
全人類が経験したことが無い程の、大きな危機を迎えているわけです。未曾有の事態に対して100%の対応が出来れば、そもそもこんな事態に陥ってないわけです。
一人一人の意識を上げることが、我々一人一人に今最も求められていることではないでしょうか。