【Tears In Heaven】
2024.12.18前回のブログ含めて私にとって悲しい報告になりましたが、そんな中いくつかの「奇跡」がありました。何より15年7か月というCoo’s Lifeの終焉に立ち会え寄り添えたことは、我が家にとって奇跡であり心の底から感謝しかありません。
前述のとおり、あの日私は11時AMに自宅に到着し、無事4日ぶりに愛犬Cooに逢うことが出来ました。部屋に入ると寝たきりのCooは私に気付き、力強い眼差して私をじっと見続け嬉しそうな表情を見せてくれました。
以前信頼する獣医の先生から伺い、はっとさせられた言葉があります。
「犬は唯一、人間(飼い主)の眼差しを逸らさず見続ける動物である」
確かにそうだ。猫でさえ目はすぐに逸らすが、信頼関係のある犬は、飼い主が目を逸らすまでじっと見つめ続けます。これは古来より、いかに犬と人間が共存共栄してきた歴史であることを物語っているのではないだろうか。確かに犬は飼い主が見ていない時でも、ずっと飼い主の一挙手一投足を注視しています。
帰宅直後の私を見つめるCooを抱き寄せ、手を洗い、家での服に着替える。この家着は日本に14年前の帰国直後に購入したため、既にボロボロだがフワフワで柔らかく温かい生地のスエット上下で、Cooは冬前後に私がこれを着て抱っこするとご満悦で直ぐに眠る。彼女にとって10数年の安心の肌触りで、今でも最高のお気に入りなんでしょう。
その後、彼女の下痢の後始末を一生懸命、家族全員で共同作業。今思うと、家族5人で一緒の取り組みをした最後の活動でした。その時、私から子供たちに何度もこう問いかけた。
「Coo温かいでしょ?これが生命の温もりだよね」
確かにこの時、まだCooは温かく、呼吸し、我々を見つめいていた。
そしてCooを抱いてカウチに横になり、やっとCooが安心して目を閉じて眠りだす。私から3cmほどの距離にCooの顔があり、彼女の鼻と私の鼻が触れる。これはお互いにとって至福のコミュニケーションの瞬間。
ここ1年間ほどずっとそうなのが、私は定期的に彼女の呼吸をお腹の動きをチェックしてきた。当然Cooが生きているかの確認だが、これを毎日していると、自分でも日々のクセになっている。しかし今日は大丈夫、呼吸もしているしお腹も動いているし、何よりCooが温かい。
その1分程あとに、Cooが少しだけまぶたを開く。すると数センチ先のCooの目が私を見ていない・・・。15年以上寄り添ってきた愛犬が、初めてこの距離で私の目を見ない。瞬時に異変を悟った私は大声で叫び近くにいた家族を呼ぶ。そして彼女を呼ぶ叫びと共に、私のとめどなく涙が抱き寄せる彼女に降り注ぐ。
どれくらいトキが過ぎたか分からないが、妻と息子たちの言葉で我に返る。
「Cooは帰りを待ってたんだよ!家族みんな揃うの待ってたんだよ!!」
「Cooちゃん、ありがとう!本当にありがとうね!!」
不在がちの私は勿論、子供たちも成長すると家にいる時間も減り、それこそ我が家全員が揃うことも稀になるし、それがリビングに全員いるタイミングは奇跡に近い。これが一人でもCooの最期に立ち会えないとなると、その一人の前でその話は出来ないだろう。そもそも私は自分が不在の間にこの瞬間が来たらどうしようと、この数年間ビクビクしながら生活していた程だ。
しかし日曜日AM 11:45 家族5人が同じトキ同じ場所で共有していた。
Cooは最後の最期に、家族にとって最大の悲しみの中で最高の幸福を届けてくれた。15年以上我が家に大きな幸福と感動を届けてくれた彼女は、最後まで最高な家族であり最高の温もりを届けてくれた。
それらを届けること引き換えに、彼女自身の温もりは消えていった・・・。
彼女の火葬は11月13日(水)AMにおこなった。最期のトキから3日間、間違いなく私は人生で最も涙したであろう。人はこれほど涙が出るのだろかと思うほど、人はこれほど悲しむのだろうかと思うほど、枯れることの無い涙。
あれから今日まで、20歳前後の頃に良く聞いていた音楽を思い出し、リピートする毎日。
Would you know my name, if I saw you in heaven?
Would it be the same, If I saw you in heaven?
I must be strong and carry on
‘Cause I know I don’t belong Here in heaven
あの頃よりは意味を理解できるようになっている気がする。それでもこの最期は「奇跡の最期」であったからこそ、私は前に向き進んでいかなければならない。
残された私には「すべての生命に幸福と感動を届ける」というPurposeがあり、「愛する家族にいいモノを 地球の仲間にいいコトを」というMissionがある。今こそ「生命の理想郷」とは何かということを追求すべきトキであるかもしれないと、Cooが教えてくれた気がする。
彼女はきっと地球上のすべての生命に対して、そして我々フードメーカーとして更なる最高を創り続けること、そして更なる幸福と感動を創り上げるという新たな大義を託してくれたのだろう。やはりCooの全ての奇跡に感謝しかない。
15年ぶりにCooのいない我が家のChirstmasがやってくる。Our Tears in Heaven。